"ケーキの切れない非行少年たち"から考える

宮口幸治さんという精神科医の方が書かれた『ケーキの切れない非行少年たち』という本があります。
 
これは少年院には、認知力が低く、ケーキを等分にすることができない非行少年が大勢いるという例から、人口の数パーセントはいるであろう「境界知能」の人々に焦点を当てた書物です。

 また、困っている彼らを学校、社会生活で困らないように導く実践的なメソッドも紹介されています。

私たちのように常日頃から子ども達と関わっている人であれば、一度は読んでおいて損はない作品です。

この本が奥深いのは、「非行少年=大人を舐めているから。性悪だから。」はなく、そもそも認知能力が低いために非行に走ったり犯罪に手を染めたりしてしまうと言われている点です。

例えば急に10万円が必要になったとします。通常であれは頑張って働いたり、知人からお金を借りたりします。ところが非行少年たちはその選択肢と同列に「他人から盗む」「犯罪に手を染める」といった選択肢が出てくるのだそうです。

これは認知能力が低いが故に、手軽な方法だけに目を向けてしまい、後先のことや犯罪行為を行うことで生じるでデメリットを考えることができないから。

世間一般にこういった少年たちは、非難される側なのかもしれませんが、本当は一番支援が必要な人たちかもしれません。

私たち大人の在り方を教えてくれる大事な一冊です。
ke-ki

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