子どもたちの葛藤に耳を傾けて

現在勤めている「くまもと学習支援ネットワーク 未来高校」には様々な事情を抱えた子ども達が在籍しています。通信制の高校ということもあり、その事情の多くが「不登校」です。
 私は長年家庭教師をしていたため、不登校の傾向にあった生徒をたくさん見てきました。それらの経験から分かったのは、彼らの抱えている「苦しさと葛藤」です。経験上、自ら進んで不登校になった生徒はいません。ほぼ例外なく彼らは学校生活の中で困難を抱えていました。学習上の困難をはじめ、コミュニケーションや対人関係を築く上での困難、発達障がいを抱えているなどです。
 子どもたちは学校に行かなければならないと分かっています。勉強や部活動を頑張りたいと思っています。しかし、何らかの事情でできなくなったり、学校に行けなくなったりするのです。そうすると彼らの心は傷つき、「みんな当たり前にできることができない。自分はダメな人間かもしれない」と悩み、葛藤するんです。
 私たち大人にできることは、世間一般の価値観を押し付けることではなく、その悩みや葛藤を受け入れることです。受け入れられなくても、分かろうとするのです。解決がすぐには難しくても、周りの大人のそういった姿勢で子ども達は安心できます。生きるためのエネルギーを充電することができるんです。
 令和の時代になり、人々の価値観も変わってきました。今では不登校を受け入れる風潮も広がってきています。一人でも多くの子ども達の生きづらさが軽減されていくことを望みます。
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